プロジェクトマネジャー(PM)として、複数の開発案件に携わっている那須 剛大。学生時代に、生徒指名率No.1の塾講師アルバイトとして活躍した経験を活かし、クレスコ内でも勉強会の講師として、社員のスキルアップにも貢献しています。自ら貪欲に学び、仲間と知識を共有する──そんな那須の軌跡に迫ります。

開発案件を進めながら、“アジャイル”の社内講師も務める

▲アジャイル勉強会の様子(那須は上から2番目)

 

那須は2022年3月現在、複数の小規模システム保守案件に、PMとして携わっています。

那須 「教育業界の案件と、旅行業界向けの2つの案件の、計3つの案件に携わっています。

 

いずれも既存システムの機能追加や性能向上を行っていて、一番長く担当しているのが、大手旅行業界向けの“宿泊素材造成システム”案件。旅行パンフレットのおおもとの情報に関するシステムで、今はコロナ対策を加味した旅行情報をスピーディーにパンフレットに反映できる機能などがあります」

そんな那須が所属する部署、“ディベロップメントテクノロジーセンター”のもう1つのミッションが、“アジャイル開発”を社内に広めていくこと。アジャイル開発とは、新しい機能を短期間で継続的に開発していく開発手法です。

 

那須は、開発案件を進める傍らで、アジャイル開発についての社内勉強会コンテンツを作成し、講師を務めるなど、積極的に活動しています。

那須 「実を言うと、アジャイル開発で進めている開発案件を実際に担当したことはないのですが(笑)、アジャイル開発の考え方を一部取り入れるなどの工夫をしてきました。

 

勉強会を主催するようになったのは2021年度からです。以前所属していた部署の部内ミーティングのコンテンツとして、短時間の勉強会を実施したり、2022年2月には、全社員が参加できる勉強会も開催しました」

その勉強会には、新卒で入社した1年目の社員から、2022年4月に社長就任が決まっていた冨永専務まで、様々な社員が参加。アジャイル開発の知識を伝えることに加え、ワークを通じてアジャイル開発を体験できる内容も盛り込み、部署や年次、立場を問わず、活発な雰囲気で参加者同士のコミュニケーションが取れる内容にしました。

那須 「初対面の参加者が多かったこともあって、最初はカタい雰囲気でしたが、ワークではみんな徐々に打ち解けていました。楽しそうな様子を見れてうれしかったですね」

入社2年でリーダーに。生かしたのは塾講師アルバイトの経験

▲学生時代、研究室メンバーとの打ち上げにて

 

那須は2015年に新卒でクレスコに入社。学生時代は理工学部で、工学システムとそれを取り巻く環境の調和について学びました。就職活動では、IT業界と教育業界に絞って企業を探していました。

那須 「IT業界を目指したのは、大学の選択科目で少しITを学んでおもしろそうだと思ったからです。教育業界は、塾講師のアルバイトが好きで、興味を持ちました」

アルバイトでは、多感な年代である中学生と信頼関係を構築するために、生徒が使っているクリアファイルのキャラクターについて質問するなど、様々な工夫を重ねたという那須。担当している生徒の成績が上がることも大きなモチベーションとなり、生徒指名率No.1を獲得したこともありました。

那須 「IT業界と教育業界、どちらもやりたいと思っていたんですが、現在の学校現場ではタブレット端末を使って授業をするなど、ITが取り入れられていますよね。『IT業界でも、教育業界に携わることができるんだ』と気付いて、IT業界に絞りました」

その中でクレスコに入社を決めた理由は、会社の雰囲気でした。

那須 「先輩エンジニアとの座談会に参加した時の、社員の方の自然体な笑顔や空気感が、私に合っていそうだなと。個人の感覚ですが、たとえば、体育会系の方が多い会社が“炎”のイメージなら、クレスコは温かい空気に包まれているようなイメージ。そんな直観的な感覚が入社の決め手でした」

そうしてクレスコに入社した那須が、初めてリーダーを担当したのは、2017年のことでした。

那須 「最初は、チーム全体で数名という小規模な案件で、少しずつリーダー業を学びながら作業を進めていましたが、いくつかトラブルが重なり、ビジネスパートナーさんに追加で携わっていただけることになりました」

一気に、十数人のメンバーをまとめる立場になった那須。年上のメンバーが多い中で、最初は変に物怖じしてしまい、うまくいかない時期もあったと言います。その状況を打開したのが、アルバイトの経験でした。

那須 「一人ひとり、性格が違いますし、ビジネスパートナーさんは、所属企業もバラバラです。でも、メンバーの立ち位置はさまざまだとしても、最終的に案件を完遂するという目標は一緒。ですから、きちんと関係構築をしていこうと思いました。

 

メンバーの方一人ひとりを知っていきたく、雑談レベルのことでも積極的に話しかけたり、『そういえばこんなことを話していたな』と、相手の興味があることについて調べてみたり。アルバイトで年代の異なる相手と関係を築いた経験が、ここで役に立ちました」

その後、メンバー同士の結束は高まり、案件は無事に終了。この経験を通して、那須はチームビルディングの重要性に気付いたと言います。

アジャイルを知り、共感して開眼。実践してつかんだ“案件獲得”

▲後輩社員と親睦を深める那須(写真右)

 

那須が現在推進している“アジャイル”と出会ったのは、2018年のことでした。

那須 「同じ部署にアジャイルに精通した先輩がいて、『アジャイルってこういうものだよ』と教えてくれたんです。

 

私にとって印象的だったのは、『2週間に1回、チームメンバー全員で振り返りをして、次の2週間は改善点を実践する』という点です。振り返りがあることで、チーム全体の会話量も増えますし、改善を意識することで、個々のメンバーの振る舞いも改善され、どんどん良い状態になっていく。この流れが、私の考えるチームビルディングの流れと一致していたんです」

アジャイルの知識を当時の案件に応用したところ、思わぬ成果が出たと、那須は振り返ります。

那須 「当時の案件はアジャイル開発ではないやり方で進めていたのですが、“2週間に1回の振り返り”を取り入れてみました。

 

振り返りの中で、より効率的なやり方に気付いて、次の2週間でそのやり方を実践し、効率が上がって空いた時間をお客様への提案にあてた結果、既存システムの機能追加案件を受注することができたんです。

 

もちろんいろんな方の協力あってのことですが、はじめて『自分で仕事をとってくることができた』瞬間でした」

那須はその後もアジャイルに関する勉強を続け、“スクラムマスター(※)”の認定資格も取得しました。
※アジャイル開発において、開発全体のマネジメントに責任を持つ役割

那須 「『アジャイルの考え方と、私の考え方が一致している』と、当時の上司に伝えたところ、スクラムマスター認定資格の外部研修を勧められました。終了後の試験に受かれば、スクラムマスターの資格が取得できる仕組みです。

 

オンラインで4〜5日間、1日中続く研修なので、開発案件との調整は大変でしたが、チャンスだと考え、受講しました」

こうして、那須はアジャイル開発の知識と実践を積み重ねていき、今では講師としても、アジャイル開発と向き合っているのです。

もっと活発に教え合って、みんなで成長する

▲ディベロップメントテクノロジーセンター プロジェクトスペシャリスト 那須 剛大

 

那須は、スクラムマスター認定資格の他にも、プロジェクトマネジメントの国際資格“Project Management Professional(PMP)”も取得しています。

 

PMPは、スクラムマスター認定資格以上に勉強量が必要な資格です。那須のモチベーションは、どこから湧いてくるのでしょうか。

那須「基本的に教えたがりなんですよね(笑)。塾講師のアルバイトを通じて、人に教えることが大好きになりました。インプットしたことを発信して、相手の役に立てたら嬉しいですし、教えることで、自分も成長できます。

 

個人的な考えですが、基礎を知らないと、教えることもできないし、応用もできないと思っているんです。資格取得の勉強は、基礎から順序立てて学べるので、私に合った勉強方法だと思っています」

今後も“教える”ことを続けていきたいと、那須は語ります。

那須 「アジャイルに関しては、講師ができる人をもっと増やして、社内にアジャイルに関する知識を浸透させる速度を上げたいです。

 

個人としては、『楽しく講師をする』ことを、より心掛けていきたいです。講師側が楽しそうにしていないと、講師をしたいと思う人は増えないと思うんです。無理に楽しそうに振舞うのではなく、楽しいときに、楽しいと思っていることが、参加者に伝わればいいなと思っています。

 

実際に、勉強会に参加してくれた方から、『講師の那須さんが楽しそうだったから、講師をやってみたいと思った』というアンケートをもらったときがあって。うれしかったです。ぜひ実践していただきたいです」

また、インプットができる場も、もっと欲しいと言います。

那須 「私はアジャイルについて教えてもらって、“いいな”と思って啓蒙活動を始めたわけですが、そういう人が増えたらいいなと。アジャイルに限らず、『みんなが得た知識を、みんなで共有する』活動が、もっとできたらいいなと思いますね。

 

『自分が得た知識を発信したい』と手を挙げる人が増えれば、クレスコ全体の知識の底上げにもつながると思います」

自ら学び、人に教えることで、自分も成長したいと願う那須。貪欲にアンテナを張り、自分のスキルを“何か”に変化させていく──そんな那須の活躍から、今後も目が離せません。

 

※ 記載内容は2022年4月時点のものです