クレスコのニアショア開発拠点のひとつ、札幌事業所。伊藤 郁は、プロジェクトマネジャー(PM)として、開発業務だけでなく、チームと札幌事業所の改善活動にも取り組んでいます。技術者・マネジャーとして、そして女性・母として、伊藤が大切にしてきたこととは。

“ニアショア開発”の指揮を取りながら、働く環境作りにも取り組む

▲北海道開発センター第二部 プロジェクトマネジャー 伊藤 郁

 

2001年3月に設置され、2022年7月現在70名以上が勤務している、クレスコ札幌事業所。

 

札幌事業所では、北海道内の企業向けのシステム開発業務と、“ニアショア開発”、つまり東京の本社が受注した開発案件の一部を遠隔チームとして担う業務があり、最近はニアショア開発の割合が伸びています。

 

そんな札幌事業所に所属する伊藤は、プロジェクトマネージャー(PM)として、ニアショア開発チームに属しています。

伊藤 「私のチームでは、大手メーカー様向けのスマートフォンに組み込まれる機能を開発しています。東京チームが主管ではありますが、作業場所が異なっていても、“ひとつのチーム”であることを意識して、受け身ではなく、主体的に業務に取り組むことを心がけています」

もともと、札幌事業所では組込みソフト開発の案件を担当していませんでしたが、ビジネス拡大のため、2018年からニアショア開発の領域で、組込みソフト開発の案件に携わるようになりました。

伊藤 「私が入社した時は、札幌事業所での組込みソフト開発がはじまって1年ほど経ったタイミングでした。今ではお客様から、札幌チームの技術力や品質について、一定の評価をいただけています。今後、メンバー全体のスキルをもっと高めて、担当している案件の規模を大きくしていきたいです」

一方で、伊藤は働く環境の改善にも取り組んでいます。

伊藤 「私は小学生の子どもを育てながら仕事をしているんです。母親としての経験を、働きやすい職場環境づくりにつなげられればと思っています。

 

まずは自分のワークライフバランスをより良く保てるように環境を整備して、その環境を定着・拡大させることで、多くのメンバーにとってより働きやすい環境をつくりたいです」

コロナ以降、テレワークなど働き方が大きく変わったものの、メンバーとのコミュニケーションは積極的に取るようにしていると言う伊藤。

伊藤 「1日1回はチームメンバーが集まり、言葉を交わす機会を設けています。また、メンバーとの1on1も定期的に行っていて、困りごとや仕事への不安がないかをヒアリングしています」

女性でも上に行ける。ママでも戦力になれる。そんな場所を求めクレスコへ

▲小学生の娘と、地元の広場にて。とても仲良し

 

クレスコには、2019年に中途採用で入社した伊藤。前職でも、組込み開発エンジニアとしてキャリアを積んできました。

伊藤 「前職では、組込み開発の基礎となる部分をひと通り身につけることができました。

 

また、私は『やるからには何でもできるようにならなければ』という性格で、業務においては常に“高みを目指す”ことを意識しています。なのでスキルアップだけでなく、新しいことにも挑戦したいという気持ちがあり、自ら手を挙げてプロジェクトリーダー(PL)も務めました」

その後、伊藤は出産を経験。仕事への取り組み方が変わったと振り返ります。

伊藤 「仕事に向き合う気持ちは変わらなかったものの、保育園のお迎えなど、出産前と同じように働くことは物理的に不可能でした。制限がある中、自分なりの妥協点を探りながら、できることをやろうと思って取り組んでいました」

職場復帰後は、評価チームのPLを任された伊藤。徐々に「開発業務に戻りたい」という想いが大きくなっていったといいます。

伊藤 「折に触れ、『また開発をやりたい』という話はしていたのですが、前職ではそれが実現する見込みがありませんでした。また、女性が高いポジションに就きづらい風土もあって。

 

だったら環境を変えてみようと。経験を生かせて、子育てしている女性でも活躍できる場所を求めて、転職活動を始めました」

数ある企業の中で、伊藤が選んだのはクレスコでした。

伊藤 「クレスコのホームページの育児両立支援の情報がとても充実していました。仕事をするうえで、100%思い通りになることはないものの、この会社なら、きっと私のような子どもを持つ女性でも、チャンスを与えてくれるだろうと考えたんです」

入社後、伊藤はカルチャーショックを受けたと言います。

伊藤 「社員同士が助け合う文化が根づいていることに驚きました。

 

私の性格上、それまでは『自分でやらなきゃ』という考えでいましたが、クレスコでは『年次やビジネスパートナーさんなどの立場に関係なく、共に力を合わせて良いものを作ろう』という想いが共有されていました。困ったら相談していいんだと思いましたね」

チームを良くすることが、PMとしての責務

▲2020年にリニューアルされた、札幌事業所のリフレッシュスペース

 

伊藤が今最も注力しているのは、ニアショア業務拡大に向けた取り組みです。

伊藤 「業務を拡大するために、生産性を高めるのはもちろん、案件の進め方を見直し、個人の得手不得手を分析してより効率的な教育計画を立てるなど、いろんなアプローチをしようと動き出しているところです。

 

目標は、働きやすい環境をつくり、きちんと結果に結びつく案件運営を行うこと。それが実現できれば、メンバーも成長して、さらに新しいことができるようになる。そういう土壌をつくりたいですね」

チームを良くすることが、PMとしての責務だと言う伊藤。今後は、マネジメントスキルをさらに伸ばしていきたいと話します。

伊藤 「実は私、管理職になりたてで。まだまだPMの役割を理解しきれていない部分や、足りない部分もあります。なので、マネジメントのスキルをもっと伸ばしたいです。

 

ただ、クレスコに入社してからは、前よりも相談したりされたりと、『立ち止まって考える』ことが増えました。

 

そういう中で、人を大事にしたり、モチベーションを高めたり、生産性や顧客満足度の向上に着目して改善を図るなど、大切なことに気づかされることは、これまでもたくさんありました」

そのためにも、メンバーに対する働きかけが欠かせないという伊藤。

伊藤 「チームだけでなく、部内のコミュニケーションをさらに活発化させたいです。とくに若手社員に対しては、一人ひとりの意向を聞いたり、社内で期待されていることを伝えたりしながら、進む道を明確に示すことでモチベーションの向上につなげる、キャリアマネジメントの必要性を感じています。今も色々と取り組んでいるのですが、取り組みをもっと発展させたいです」

そんな伊藤にとって、仕事にやりがいを感じるのは、取組みが評価されたときだといいます。

伊藤 「たとえばお客様から労いの言葉をいただいたときや、チームの規模が大きくなって売り上げに貢献できたときなど、取り組んできたことが何かしらの形になって、それが評価されると嬉しいですね」

社員を大事にする風通しの良い土壌で、後進が活躍しやすい道をつくっていく

▲メンバーとは積極的に情報共有するよう心掛けている

 

「社員を大事にするところが、クレスコの良いところ」という伊藤。会社の存在感をもっとアピールしていきたいと意欲を見せます。

伊藤 「社員の働きやすさを考慮した制度が充実していると感じます。たとえば、男性の育休も増えていますし、社員や家族の健康を意識した制度も多いです。

 

こうした取り組みをしていることは、もっと評価されていいはず。積極的に外部に働きかけ、周知していく必要があると思っています。その結果、優れた人材が集まれば、業務の幅も自ずと広がります。そんな好循環が生まれていけばいいですよね」

そうやってクレスコがより“選ばれる存在”となるためにも、いまの伊藤の目標は、自らが率先して行動の規範となるような存在になることだといいます。

伊藤 「近年は共働き家庭が増え、仕事をしながら家事を分担するケースが多くなっています。性別に関係なく、私自身の働き方を通して、家庭を守りながら、業務にも邁進できる道筋を示せたらと考えているんです」

そう話す伊藤がこれから加わるメンバーに求めるのは、“チャレンジ精神”だといいます。

伊藤 「今後、ますます業務の幅が広がっていくことが予想されます。なので、新しい仕事にも積極的に取り組んでいけるような人と一緒に働きたいですね」

また、向上心のある人にとっても良い環境なのではないかと続けます。

伊藤 「会社として個人のチャレンジを後押しすることに熱心で、資格取得をサポートしたり、技術力を高めるための研修や勉強会も頻繁に行われています。互いに協力し合いながらスキルアップを図れる環境だと思います。

 

風通しの良い雰囲気でもあると思うので、『自分が主役になっていろいろなことをやってみたい』という希望も、ここでなら叶えられるはずです。志がある人にとっては、またとない環境なのではないでしょうか」

技術者として、マネジャーとして。また、女性として、母親として——さまざまな立場で積み重ねてきた経験を生かし、より良い組織づくりに励む伊藤。彼女が進む道は、クレスコや札幌事業所の未来を照らしていくことでしょう。

 

※ 記載内容は2022年7月時点のものです