ITサービスとデジタルソリューションで“わくわくする未来”の創造を目指すクレスコ。中田 浩之は、その第一線で活躍するベテラン社員のひとりとして、主に人材派遣業向けのシステム開発に携わっています。若手時代に抱いた想いが、今も心中に深く刻まれているという中田。これまで、そしてこれからについて語ります。

システムは、目的ではなく手段

▲第一ビジネスソリューション事業部 アカウントマネジャー 中田 浩之

 

産業系ビジネスの拡大をミッションとする第一ビジネスソリューション事業部。中田はその一員として、主に人材派遣業向けの開発領域でアカウントマネジャーとして活躍しています。

 

中田のミッションは大きく2つ。お客様の戦略に沿ったシステム提案・支援と、約70人のメンバーをまとめるマネジメント業務です。

中田 「マネジメントについては、メンバーは約20のチームに分かれていて、それぞれ担当するシステムやサービスが異なっています。

 

各チームがそれぞれにお客様対応をする中、それを俯瞰して見ながら、横断的にサービスの整合性を取ったり、お客様の企業戦略に合わせた体制作りを行ったり。社内向けと社外向けの両面でコントロールしていくことが私の役割です」

そんな中田には、常に意識していることがあります。

中田 「われわれが目指すゴールは、お客様の新ビジネスの創出や、既存ビジネスの推進であり、システムはそのための手段なんです」

お客様が求めているのは、システムそのものではない――そのことを念頭に置いている中田は、あえてシステム開発を提案しないこともあるといいます。

中田 「以前、お客様先に常駐して業務していたときのことです。お客様の情報システム部長が、社長から難題を突きつけられ、とてもお困りでした。

 

聞けば、とあるSaaS(※)を数日のうちに導入せよというのです。既存のシステムとの連携を考えると、無理のあるリクエストでしたが、社長に『無理です』とはいえない状況でした」

※SaaS:ソフトウェアを、インターネットを通じて遠隔から利用者に提供する方式

 

ところが、詳しく話を聞くうちに、中田はすぐに解決できる案を思いつきました。

中田 「新しいシステムを導入するのではなく、既存のシステムの運用手順を変えれば、社長の要望を実現できるのでは、と伝えたのです。結果的にその案が採用され『社長から大きく評価された』と部長にたいへん喜んでもらえました。

 

クレスコとしての売り上げはゼロでしたが(笑)、大切なのはこういうことなんだと。長くお客様を近くで見てきたことで培った目線を活かしながら、最適だと思える判断をしているつもりです」

“問題児”が成長し、社長賞を受賞。残ったのは“悔しさ”

▲新卒採用面接官だった上司が定年退職した後も、交流を続けている(中田は写真右)

 

中田がクレスコへ新卒入社したのは、2006年のこと。情報系の学部出身で、IT業界に的を絞って就職活動をする中、クレスコ入社の決め手となったのは“人”の魅力でした。

中田 「就活時は複数社の選考を受けたのですが、当然ながらほとんどの場合、面接官と就活生との関係はその場限りで終わってしまいます。ところが、クレスコだけは違いました。

 

面接後に社内を見学させてもらっているとき、面接官だった当時の事業部長を見かけました。私のことなど覚えていないだろうと思って気づかないふりをしていると、すれ違いざまに声をかけられて。しかも、驚いたことに、私の名前を呼んでくれ、面接で話した内容まで覚えていらしたんです。

 

この出来事が、私にとって就職先を決める大きな理由でした。入社後も覚えていてくださって、よく声をかけてもらっていました」

そうやって入社したのはよかったものの、研修期間中、社内で“過去最悪の世代”と噂され、中でもかなりの問題児だったと当時を振り返る中田。転機となる出来事が訪れたのは、入社3年目のことでした。

中田 「チームリーダーとして、新規のお客様を相手に、提案からリリースまでを行う案件を担当しました。なかなか大きな規模の案件で、品質などの難しい課題もありましたが、どうにかリリースしました」

その案件は社内で社長賞を受賞するなど、周囲からの評価は決して悪くなかったのですが、自分としては納得できなかったと振り返ります。

中田 「『設計のスキルがもっとあれば、SIのことをもっと理解できていれば、もっと良いものを提供できた』と、ずっと思っていました。打ち上げの席では、悔し涙が止まりませんでしたね。

 

それからも、リーダー、マネジャーとキャリアを重ねてきましたが、『本当にこれが最善なのか?』『あのときのような悔しさがなくなるほど、考え抜いたのか?』と、いつも自問自答するようにしています」

忘れられない“悔しさ”が、中田のキャリアの礎となっています。

AI導入案件にチャレンジ。成功のカギは“会話”

▲複数回社長賞を受賞している中田。2018年に受賞したときの写真

 

ほかにも、多くの気づきを得た案件があるという中田。その案件は、AI導入プロジェクトでした。

中田 「当時、AIが世間を賑わせはじめたころで、お客様がその時流に乗ろうと『何か良い案を出してほしい』というテーマを与えられました。

 

クレスコ内でもAIを扱う案件がまだなく、AIに力を入れている世界的なIT企業2社に、営業メンバーを介してお声がけし、お客様とその2社、そしてクレスコという4社での案件として提案しました」

提案したのは良いものの、難しいことが多かったと、中田は振り返ります。

中田 「技術的に前例がなく、あらゆる場面でトライアル・アンド・エラーの繰り返しでした。加えて、お客様にも、そのIT企業にも、そしてクレスコにも、それぞれに考えがありますから、マネジメントのハンドリングが非常に大変でしたね。

 

また、お客様がやりたいことと、AIができることが、100%一致しているというわけではありませんでした。その中で両者をうまく結びつけながら、最善の落としどころを探っていくことに苦労したのを覚えています」

結果的に、その案件はマスメディアでも取り上げられるなど、大いに話題を集めました。大きな課題が複数ある中で成果につながったカギは“会話”だったと中田はいいます。

中田「社内はもちろん、関係各社と話し合う機会を頻繁に設け、腹を割って話したことが良かったと思いますし、それを通じて、別の立場から物事を考える視点をより強く意識するようになったと思います。

 

以前は、『自分の見ているものを相手にわかってもらう』感覚だったのが、『相手は今どんなものが見えているのだろう』ということを気にするようになりました。

 

とはいえ、いまも入社当時から変わらない部分も多く、人間性はまだこれから、というところはたくさんあると思いますけどね(苦笑)」

気づきは価値。広い視野を持って、お客様をリードできる存在に

▲グループ会社との、今後のクレスコグループを考える討議で発表する中田

 

中田には、成し遂げたい目標があります。

中田 「若いころは『俺は社長になる』なんていっていましたが(笑)、長年人材派遣業のお客様とともに仕事をしてきましたので、今は業界全体を変えるようなことをしてみたいですね。

 

たとえば、スマートフォンが出てきて、ビジネスも生活もガラリと変わりましたよね。そういった、ビジネスのやり方全体を変えるような、そしてそれをリードできるような存在になりたいと思っているんです。

 

そのために、自社を含めた、ステークホルダー全体の考えや意見を意識できるようにならなければと思っています」

そう話す中田が描く、会社の未来像は明確です。

中田 「クレスコがあるからこそ、お客様のビジネスをリードし、変革していける──そんな会社であるべきだと思っています。システムを作ること自体ではなく、お客様のサービスを創出していけるといいですね」

入社して17年目を迎える中田。入社前に感じたクレスコの“人”の魅力は、2022年現在も色褪せないと話します。

中田 「人と人のつながりが濃い会社だと思っています。たとえば、全然知らない人にも気軽に話しかけられる空気があって、何か相談すると親身になって話を聞いたり、一緒に悩んでくれたり。テレワークの中で、チャットで質問しても、丁寧に返してくれます。私もたまに質問されますが、しっかり返すようにしています。質問されることで『こういう視点もあるのか』と気づきや学びにつながります。すべて今後に役立つことですし、自分がより“広く”なっていくのは楽しいです」

一緒に働くメンバーも、“いろんな色”の人がいるといいと、中田は続けます。

中田 「いろいろな個性を持った人に集まってほしいと思っています。違いがあるからこそ、新しい気づきが得られるじゃないですか。それ自体が価値だと思っています。なので、人とつながって、一緒に何かをやっていきたい、そういうことに楽しみを感じられる人が、クレスコに向いているのではないでしょうか」

気づきや学びを吸収して育まれた大きな視点から、変革を創出したいという中田。その挑戦はこれからも続きます。自身の武器を尖らせ、先陣を切って“わくわくする未来”を創造していくために。

 

※ 記載内容は2022年8月時点のものです