福岡事業所で保険業界向けの開発案件に従事する松藤 裕人は、2022年1月~12月の1年間、育児休業を取得しました。復帰後も、チームの環境とお客様との信頼関係を意識しながら業務に臨んでいます。育休の調整や育休中の経験から、業務で自身を突き動かし続ける原体験まで、幅広く振り返ります。

タブレット用アプリケーションの開発を担当──育休明けからリーダーを担当

▲福岡開発センター第一部 デジタルテクノロジースペシャリスト 松藤 裕人

 

2023年2月現在、松藤は福岡事業所にて、生命保険業界向けの開発案件に参画しています。

松藤 「保険に新しく加入するときに営業職の方が使用するタブレット用のアプリケーションを開発していて、要件定義から納品まで一貫して担っています。福岡事業所以外にも、東京の本社、オフショア先のベトナムと、3拠点で分担しています。

 

このお客様向けの案件は他にもあり、全ての案件のメンバーを合計すると50人くらいの規模になります」

そんな松藤は、1年間の育児休業から先月復帰したばかり。育休明けに次期チームリーダーに抜擢され、現在は現リーダーから業務引き継ぎの真っ最中です。

松藤 「リーダー業務としては、4名ほどの福岡メンバーのタスク管理や、要件整理、お客様や東京側とのコミュニケーションを行っています。東京側と一緒になって、ベトナムチームのタスク管理をすることもあります。育休前もリーダー業務を部分的に行っていましたが、育休から復帰したタイミングで、正式にリーダーを引き継ぐことになりました」

松藤がリーダーを務めるのは今回が初めて。戸惑いながらも、明確に意識していることがあります。

松藤 「メンバーが業務を行う上で、心理的なハードルを極力なくす努力をしています。私はいまフルリモートで業務を行っているので、メンバーとのコミュニケーションはチャットが多くなりがちですが、会話できるタイミングを積極的に探して、Web会議で顔を見ながら話を聞いたり、問題を解決したりするようにしています」

福岡事業所のメンバーは現在60人弱。結束力が強みだと言います。

松藤 「個人的には、福岡の規模だとメンバーが全員身内のような、ちょうど良い感覚があります。いろんな性格の方がいますが、チームをまたいで会話したり食事に行ったりすることも多く、いいチームワークができあがっていると思います」

悪いことこそすぐ報告し、信頼関係を構築──お客様からのひと言が原体験に

▲大学の授業では、PCの組み立ても学んだ

 

小学生のときからパソコンを使うのが好きだった松藤。大学では情報システム工学部に所属し、ロボット制御やシステムの基礎を学び、就職活動でもIT企業を志望していました。 

松藤 「卒業後は新しい技術を使ってシステムを開発したいと考え、就職活動ではいろいろなIT企業を訪問しました。

 

そんな中、福岡事業所の前身であるクレスコ九州(2019年にクレスコに統合)が打ち出していた『新しい技術を使ってお客様に価値を提供する』というコンセプトに惹かれたんです。新技術を習得したいという思いで、入社を決めました」

松藤がクレスコ九州に入社したのは2014年のこと。新人研修後、最初に参画した案件が印象に残っていると言います。

松藤 「病院に電子カルテを導入する案件だったのですが、業務で開発に携わるのは初めてで、技術、病院に関する知識、業務そのもののことなど、覚えることが多すぎて毎日必死でした」

松藤が案件に参画してから8カ月後にシステムが完成。システム導入時には、使い方をお客様にレクチャーする役割を担いました。

松藤 「新人にしては大役で、すごく緊張しましたが、必死にやってきた成果が実り、お客様からの質問にもテキパキと答えることができました。

 

そのとき、『若いのにすごいね』とお客様から言ってもらえたんです。私だけでなく、チーム全体を高く評価していただけました。メンバー全員が一丸となってつくったシステムだったので、二重で嬉しかったですね」

この経験から、「お客様に感謝される仕事をしたい」と思うようになったと言う松藤。そのために、お客様とのコミュニケーションで意識していることがあると言います。

松藤 「“積極的に会話する”ことと“誠実に対応する”こと、この2つを意識しています。とくに、言いにくいことほど、すぐに報告することを重要視しています。怒られるかもしれませんが、お客様の立場で考えると、悪い報告を早くしてもらったほうが問題の早期解決につながります。

 

また、多すぎると思われるくらいに報告することも大事にしていて、『進捗が若干遅れそうです』など、細かいことでも極力連携するよう心がけています。このような積み重ねが信頼につながると思っています」

1年間の育休を取得──育児も仕事も“会話”が大切

▲仲良くしている一家との1枚(松藤は右から2番目)

 

2022年に第3子を授かった松藤は、子どもとの時間を大切にしたいという想いから、1年間の育児休業を取得しました。

松藤 「しっかりと引継ぎできるように、取得する4カ月前くらいから相談していて、上司もメンバーも『行っておいで!』と気持ち良く送り出してくれました。当初は半年休む予定だったのですが、子どもがかわいすぎて1年間に延長させてもらいました(笑)」 

育休中は仕事を一切しなかったものの、ビジネスに通ずる学びがあったと振り返ります。

松藤 「朝起きてから寝かしつけまで、ごはんをつくること以外、第3子の世話のほぼすべてが私の仕事。妻が上の子ふたり、私が第3子担当という感じでした」

ごはんに関するトラブルから、会話して合意を取る必要性をあらためて感じたと、松藤は続けます。

松藤 「離乳食とミルクのバランスやタイミングについて、妻と私の思い違いからちょっとしたミスが発生したことがあって。原因は会話不足。自分の中では当然と思っていることも、相手はそうでない、ということを再認識しました。

 

それ以降は毎朝、『今日はミルクをこのタイミングにあげる』と妻と確認し合うようになりました。育休復帰後も、細かいことでもメンバー間できちんと会話して、合意を得ながら進めるよう心がけています」

1年間業務を離れることについては、不安もあったと松藤は振り返ります。

松藤 「育休を取得したいという相談や、期間を延長したいと申し出ることについては不安や気まずさはなかったものの、復帰後はどのような案件に入るのか、ブランクがあってもすぐにうまく立ち回っていけるかという不安はありました」

結果として、会社の計らいで、松藤は育休前と同じ案件に戻ることとなりました。

松藤 「お客様からも、『よく戻ってきたね。また頑張ってね、期待してるよ』と言っていただけて、あらためて『がんばるぞ』と思いました」

さまざまな技術に触れることができる環境で、成長を続ける

▲リモートワークでもコミュニケーションを頻繁にとっている

 

2023年1月に育休から復帰した松藤は、以前と働き方を変え、フルリモートで勤務しています。

松藤 「業務に支障はないですね。もともと福岡、東京、ベトナムと、異なる拠点間でやり取りしていましたし、フルリモート勤務のメンバーは他にもいます。各々の状況に合わせて勤務していますね」

松藤は、今後は育休取得の経験を活かしたチーム運営を行いたいと言います。

松藤 「私が後輩から育休取得の相談を受ける立場になったときに、今度は私が『育休取っておいで!』と後輩に言えるような環境をより整えたいと思っています。

 

人にはいろいろな事情があるので、育休に限らず、個々の状況をくみ取りつつ、メンバーそれぞれがスムーズに業務を進められる、“心理的ハードルがないチーム”を引き続き目指していきたいです」

個人としても、業務の幅を広げていきたいと続けます。

松藤 「今までは保険や医療業界向け案件の経験が多いので、今後は別の業界を経験してみたいです。技術としては、クレスコは新しい技術にも挑戦していますが、従来からある優れた技術を使うこともあるんです。そのあたりのバランスがいい会社だと、個人的には感じています。  

 

とくに新技術については勉強会などで試したり学んだりできます。私はクラウドの勉強会に参加したことがありますが、それ以外の技術コミュニティもあります。自分が業務で扱ったことのない技術や事例に数多く触れられるので、私個人としてもとてもおもしろいと感じています」

そしてもうひとつ、松藤がクレスコの魅力として挙げるのが、“人”です。

松藤 「入社前は、IT系の社員は寡黙な人が多いイメージだったのですが、入社後に私がかかわったメンバーは話しやすくて、人当たりがいい人が多かったです。何をするにも相談しやすいと思いますね」

1年間の育休を経て、誠実なコミュニケーションにますます磨きがかかった松藤。リーダーとしても、技術者としても成長を続けながら、今後も新しい価値をお客様に届け続けます。

 

※ 記載内容は2023年4月時点のものです