2020年に新卒でクレスコに入社し、保険業界の開発案件を担当している坂本 真希。物事を前向きにとらえる彼女がぶつかった壁を乗り越えた先には“おもしろさ”が待っていました。さまざまな経験を経て明確になったエンジニアとしての機軸や展望を語ります。

保険会社の案件に従事。“機会”を気づきのチャンスととらえポジティブに活動

▲第二金融ソリューション事業部 システムエンジニア 坂本 真希

 

新卒入社以来、坂本は金融ソリューション事業部に所属し、生命保険会社の基幹業務システムの開発に従事。2023年5月現在は、収納チームの一員として、設計からテストまでを担当しています。

坂本 「案件の中に引受・保全・収納・支払の4つのチームがあり、新人研修後最初に配属されたのが保全チーム。2021年の夏ごろに収納チームに異動しました。現在は、オフショア開発(システム開発業務を海外事業者に委託・発注すること)先のベトナムメンバーも含めて30名ほど案件に携わっています。

 

私の具体的な担当業務は、保険会社のお客様情報を登録するシステムの修正や、新規機能追加にともなう改修です。また、ベトナムメンバーに依頼した作業のレビューも担当しています」

坂本は「普段やらないことに挑戦したら気づきがあるのではないか」という考え方で、担当業務以外の社内活動にも前向きに取り組んでいます。

 

そんな坂本は、2021年に“クレスコフェア(※)”で盗撮防止システムを開発し、優秀賞を受賞。2022年度は社内報制作チームの一員として、オフィスリニューアル紹介ページの企画を担当しました。

 

クレスコフェア:クレスコグループの社員がIT技術を駆使し、創意工夫を凝らした多彩なシステムやサービスを展示するイベント

坂本 「クレスコフェアに参加した理由は好奇心です。業務では既存のシステムをより良くしているので、“ゼロからものをつくる”ことをしてみたくて。普段使わない技術に触れることで知識も増えると思いました。

 

社内報制作は上司からの打診がきっかけではありましたが、さまざまな部署の人たちが集まるチームだったので、『こんな人がいるんだ』と知るきっかけになりましたし、オフィスをリニューアルした意図を担当の方から説明いただくなど、普段聞けないようなことを直接聞けたのも新鮮でした」

働きやすい環境でスキルを身につけたく、クレスコ入社を決意

▲入社前の2019年10月、内定式で同じ大学の内定者と撮った1枚

 

坂本の学生時代の専攻は環境科学。卒業論文では「ブルーライトが生体リズムに与える影響」を研究しました。ITとは関連のない分野を専攻していた坂本がIT業界を目指した理由は「手に職をつけたいから」と言います。

坂本 「専門知識を身につけ、キャリアを途切れさせることなく長く働き続けることができる仕事に就きたかったのです。また、長く働き続けるためにも、人間関係の良さそうな会社がいいと思っていました。

 

大学の就職課の方に相談し、『これから先、ITは欠かすことのできないものになるのでは』と意見をいただきました。たしかにそうだと思い、IT業界に絞って就職活動を進めました」

さまざまな企業を訪問する中で、とくに印象に残ったのがクレスコの会社説明会でした。

坂本 「とくに “技術力”と“人間力”の話が印象的でした。技術力はまさに私が求めていた専門知識でしたし、人間力は『成果を生み出すために有効な人間的能力』と説明していて、人間力も含めてスキルを高めようと切磋琢磨している会社で働く人たちなら、人間関係も良いはずだと思いました。

 

面接の前に『リラックスして大丈夫ですよ』と、社員の方が緊張をほぐしてくれたのも、私が受けた企業の中ではクレスコだけで、好印象でした」

他にも同じ大学出身の先輩が長く働いていることや、“プラチナくるみん”などの認定もあり、女性にも優しい会社なのではと判断し、坂本はクレスコに入社を決めました。

坂本 「実際に子育てしながら働いている上司もいますし、同じ案件の男性社員2名が今年に入って育休を取得していて、想像以上に育児との両立がしやすい環境でした」 

そうはいっても、坂本にとってITは未知の業界。入社前は不安があったと言います。

坂本 「内定式でもらった基本情報技術者試験の対策テキストを見たとき、正直『大丈夫かな?』と思いました。それでも、入社前からプログラミングなどを学べるeラーニングが用意されていて、入社後3カ月間の新人研修でもしっかり学べたので、徐々に不安は解消されていきました」

「わかるようになれば、仕事は楽しくなる」──成長しながら楽しさを実感

▲ドラムは、社会人になって始めた新しい趣味

 

新人研修後、実際の開発案件でも、学ぶことは多くあったと坂本は振り返ります。

坂本 「曖昧なコミュニケーションをしないように意識するようになりました。

 

配属後に先輩から作業を依頼されたときに、どんな成果物を作るのか、ゴールをきちんと確認できていませんでした。結果、遅くまでがんばって作り上げた成果物が、先輩が思い描いていたものと違って、手戻りになってしまったことがありました。それ以来、自分から具体的に確認するようにしています」

そんな坂本がこれまでで最も大変だったのは、入社2年目の5月ごろだったと言います。

坂本 「開発したシステム同士を結合させたときの動作テストを担当していましたが、自分の進捗が遅れていて、テストの内容もよくわかっていないままで進めていました。そこに、同じチームの他社エンジニアさんからの質問対応と進捗管理もしないといけなくなり、思うように業務が進められなくなってしまいました」

どうしていいかわからず、坂本は一番身近な先輩に「業務がうまくいかず苦しい」と相談しました。

坂本 「そのときに『苦しいのはどうしてだろうね?』と聞かれたんです。『わからないことだらけで苦しい』と答えた私に対し『わかるようになったら、楽しいと思うよ』と答えてくれました。

 

私は、どの会社やどの職業であっても、『仕事は楽しいものではない』と思っていたんです。なのでその言葉は衝撃的でした」

その後、他社エンジニアの進捗管理は担当から外してもらい、引き続き不明点を質問しながら業務を進めた坂本は、徐々に感覚が変わってきたと言います。

坂本 「不明点に対する回答が“点”だった状態から、次第に“線”のようにつながり、わかることが増えてきました。そうしたら、楽しいと思える瞬間が増えてきたと気づきました」

その後は資格取得や、案件内で実施されている保険業務知識勉強会でも積極的に質問するようになった坂本。入社2年目の1月には、勉強会で自分が発表するまでになりました。

坂本 「そのときは“収納とは何か”を発表しました。聴講者はほとんど先輩でしたが、チーム外の分野には携わらないことが多いので、少しでも学びになっていたら良いなと思います」

未経験でも成長できたのは、周りに支えてくれる人がいるからこそ

▲ベトナムに出張したときの写真(坂本は下段左)

 

担当業務で、2022年7月にベトナムに出張したことも印象的だったと坂本は続けます。

坂本 「子会社の“クレスコベトナム”のオフィスを訪問し、いつもはオンライン上でやりとりしているベトナムメンバーに、テストの手順などを通訳の方を交えながらレクチャーしました。オフィスには若い技術者が多く、ベトナムでも同年代の人たちががんばっているんだと刺激を受けました」

そんな坂本は、今後も知識を増やしていきたいと言います。

坂本 「知識が増えておもしろさを感じることが増えたので、今後は現在の案件で扱う範囲を超えた、保険会社の方の業務全般に精通しているエンジニアになりたいです。そうすれば、将来的にはお客様とレベルの高い意見交換や、お客様が抱える課題の本質をとらえた改善提案ができると考えています。

 

もちろん私はエンジニアで、軸は“IT”なので、ITスキルも並行して高めていきたいです。プログラミングが苦手なので、先輩に『プログラミングを鍛えたいのでプログラミングの作業を振ってください』とお願いしたら『ご期待にお応えします』と返ってきました(笑)」

入社から今までを振り返って、坂本は「クレスコの魅力を一言で表すなら“人”がいいことに尽きる」と続けます。

坂本 「優しい人ばかりで、困ったときも誰かが助けてくれる。1人にされない安心感があります。IT未経験からスタートした人も多いからこそ、不安な気持ちも理解してくれますし、今度は私が後輩をフォローできるようにがんばりたいです。

 

案件内の勉強会だけでなく、社内にもたくさん勉強会があります。私ができているのだから、経験や専門知識がなくても、前向きにトライする気持ちがあれば大丈夫です。クレスコフェアで優秀賞を受賞したメンバーも、8割がIT未経験の若手でしたから」

坂本はこれからも、自分が目指す姿を思い描きながら、ひたむきに前へ進んでいきます。

 

※ 記載内容は2023年5月時点のものです