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日本国内での大幅な成長が期待しにくい現在、多くの日本企業が海外に活路を見出そうとしている。そうしたグローバル企業にとって、重要な課題となっているのが“キャッシュマネジメント”。刻々と変化する世界経済の中で、大きく変動する為替レート、海外資金の運用や調達、海外送金などの業務効率化…、グローバルで展開する企業の財務機能ニーズは多様化が進み、メガバンクの“CMS(キャッシュマネジメントサービス)”を支えるITシステムにも、スピード感の高い進化が求められている。クレスコはIT創成期から多彩な金融システムの開発・保守・運用を担ってきた信頼と実績から、メガバンクのグローバル金融システムの開発に参画することとなった。

昨年の冬、グローバル金融システムの進化に新たなミッションが加わった。それは“プーリング”と呼ばれる資金集約・分配を行う金融サービスのグローバルシステム化だ。たとえば、シンガポールに開設した銀行口座の残高がプラスで、香港の口座がマイナスであれば、シンガポールの口座には利子がつき、香港の口座には利息の支払いが生じる。だが、シンガポールの余剰資金を香港の口座に移すことができれば利息の支払は無用となる。こうした銀行口座間の「ムラ」を解消する仕組みを“プーリング”という。これは銀行への事務手数料の削減、保有資金の有効活用にも繋がるため、海外に多くの拠点を開設しているグローバル企業にとって、コスト削減効果は甚大だ。一方でそこには、各国の金融法規制、言語、文化、各国のシステムの仕様…あらゆる壁を超えて世界標準で機能するシステムが求められるため、クレスコにとって難易度の高いプロジェクトだった。

Tがプロジェクトにアサインされたのは今年4月。すでにシステムは基本設計段階に入り約半年ほど経過していた。
「銀行関連のプロジェクト経験や英語ができることで私に白羽の矢が立ったようです。とはいえプロジェクト当初は別案件でリーダーを担当していたため、この開発は途中からの参加でした。私にとって海外案件は1つの目標ではありましたが、グローバルCMSの王道をいくような大型プロジェクトの最前線に立つということで、高揚感と不安感の入り交じった複雑な気持ちだったことを思い出します。」
Tが率いるチームが担当するのは、実際にプーリングの事務手続きを担当する行員が円滑に業務を遂行するための方法を探ること。こうした業務プロセスをどうシステムに生かし、導入したシステムで業務プロセスがどう変わるのか。実際のシステム開発と並行して行われる、ユーザー目線での「システムの最適化」が彼に与えられた使命だった。しかし、その熱意とは裏腹に最初の大きな壁が立ちふさがった。
「プロジェクトに入った直後はかなりきつかったですね。基幹となる勘定系システムの理解、自分がプロジェクトに加わる前に決定した事項のキャッチアップ、銀行業務に対する深い理解、金融業界独特の規制関連の知識…、ITの知識だけでなく全く別のインプットが必要で、最初はついていくのに必死でした。気おくれしても仕方がないので、要件定義や設計書を念入りに確認して、恥も外聞もなくわからないところを何度も質問していきました。徐々に技術的にも知識的にも対等に話せるのが伝わるようになると、クライアントとの信頼関係も少しずつ深まっていきました。」
そしてTは、システムリリースに向けて山積みになっている課題にひとつずつ立ち向かっていった。
「なによりベースとなる勘定系システムは国ごとに異なる仕様で設計されていたため、システムの特徴が異なれば、行員の事務作業にも当然違いが出ます。そのため、新システムを踏まえた業務プロセスを、各国の勘定系システムにどう対応させていくかを考えていきます。私たちの新しいやり方を押し付けても現場は動きませんし、各拠点の意見に左右されて効率を犠牲にするのも本末転倒。お互い妥協もしません。そうしたやりとりを10カ国に展開している各拠点と行い、国を超えて意識の統一をしていくというのは、実に根気のいる作業でした。」

その年の秋、Tは実際にシステムを導入する拠点に業務プロセスを説明するという役割を担った。
「9月にニューヨーク、シカゴ、トロント、10月にロンドンやバンコクに赴きました。これまでは有識者の情報をもとに業務プロセスを設計するしかなかったため、世界の各拠点のユーザーと実際に会って、システム導入後の手順や要望などについて直接話をする機会を得て、現場の肌感覚が掴めたこと、また我々が定めた業務プロセスを拠点の事務担当の方々に受け入れてもらえたことは大きな収穫でした。週1回の定例テレビ会議やメールでやりとりしていた担当者と、実際に顔を合わせるのもこれが初めてで、担当者とのコミュニケーションがグンとスムーズになったのも収穫の1つですね(笑)。言葉や文化が異なる国の人たちと一緒に仕事をするという、ほかではなかなか味わえない経験をさせてもらっているので、このプロジェクトに関わることができてとても感謝しています。」

今回のチームの役割は、システムの構成図を書くことでもプログラムを書くことでもない。“プーリング”という実際にお金を動かす仕組みで、企業のプロフィットがどう生まれるかを考えるという、次世代の金融ビジネスモデルの構築に近いのだという。
「私たちの取り組んできた、いわゆる“システムの最適化”は、クライアントの中でも重要な位置を占めています。なぜなら、業務プロセスや事務手続きといった、実際のユーザーの手の動きをないがしろにした業務システムは誰からも見向きもされませんから。特に今回のようなグローバルシステムであればなおさらです。そのため私たちの果たす責任も大きく、一方でこうしたシステムの先に海外で活躍する日本企業があり、日本経済を陰ながら支えているという誇りが、私の今後の成長の糧になっていくのだと思います。」
現在、プロジェクトは新たなフェーズに入っている。クライアントであるメガバンクは、このシステムに新たな機能を追加し、対応拠点数の拡大も視野に入れて、ユーザーのさらなる獲得へと動き始めている。クレスコでは、より高い品質を提供するためにも、リリース後にトラブルなく運用し続けるためのこれまでにない新たな体制や仕組みを整備している真っ最中だ。
「このプロジェクトは、これまでクレスコが手がけていた金融系プロジェクトのなかでも、グローバル、新領域といった新たな挑戦の第一歩でした。ここで掴んだ足がかりを生かして、クレスコの新しいスタンダードを生み出していきたいですし、前例のないことに果敢に挑戦する企業でありたいと思います。その一員として、今後はクレスコの新たな海外支店の立ち上げや海外勤務に挑戦して、いろんな国で経験を積み、自分を磨いていきたいですね。」
Tの飽くなき向上心が、クレスコと世界との新たな繋がりを紡ぎだす日もそう遠くはなさそうだ。

※内容はインタビュー当時のものです。

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