クレスコの名古屋事業所で、自動車業界向けのシステム開発案件に複数携わってきた辻 響平。文系出身、IT知識ゼロの状態で入社後、1年目でCRESCO AWARD(社長賞)を受賞しました。さまざまな事業所と関わりながら働く辻が、成長の軌跡とクレスコで働く魅力を語ります。

複数拠点と連携し、次世代技術を使った自動車の組み込みシステム開発を担う

▲名古屋事業所内のリフレッシュスペース。息抜きだけでなく、ちょっとした作業もできる空間になっている

 

2022年10月現在、辻はクレスコの名古屋事業所に所属しています。名古屋事業所では、主に自動車の組み込みシステム開発を担っています。

辻 「私は車載ネットワークシステムに関するデモ開発を担当しています。車載ネットワークは、車を制御する、コンピュータでいうCPUのような機器と車内の端末をつなぐもので、ギアをバックに入れたら後部カメラの映像が自動でカーナビに表示される、というようなことを実現しているネットワークです。

 

そのネットワークを次世代の通信技術に変えるための試作が、デモ開発としての内容です。次世代の技術が搭載されれば、従来よりも多くのデータを一度に扱えるようになります」

チームメンバーはお客様に加え、大阪事業所やグループ会社の社員もおり、多拠点で連携しています。

辻 「開発の中心地は大阪なので、2022年5月に私がこの案件に参画した際は、2カ月ほど大阪に出張し、大阪事業所に出社していました。私は文系出身で不明点が多く、他のメンバーに教えてもらいながら知識をつけ、今は名古屋に戻ってテレワークをしています」

大阪出張時は、チームメンバーだけでなく、大阪事業所のメンバーとも交流できたと辻は振り返ります。

辻 「チームはオンオフの切り替えを大事にしていて、仕事中はアクティブに、休憩時間は打ち解けながら過ごしました。案件のリーダーはお客様ですが、『一緒にプロジェクトを進めよう』という姿勢を感じることができて、良い意味で気をつかわない関係性だと感じています。

 

オフの時間は、大阪事業所のメンバーと業務後に食事に行ったり、大阪事業所バーベキュー大会にも誘ってもらったりして、とても良くしてもらいました」

社員同士のコミュニケーションは、名古屋事業所においても活発だと辻は続けます。

辻 「名古屋事業所のメンバーは10名強。年代にはバラツキがありますが、よくオンライン飲み会をしています。今後対面の懇親会が予定されているので、楽しみです。

 

また、クレスコでは面談の機会が多く、名古屋事業所長はもちろん、月に1~2回の頻度で、“メンター”に相談できます。メンターは他部門の先輩社員で、フラットな視点で話してもらえます。業務や今後のキャリア、必要なスキル、困りごとなど、何でも話せるので、面談終了時間を延長してもらうこともしばしば。それでも親身に話を聞いてもらえるので、とてもありがたいです」

文系ながら“ものづくり”を目指しIT業界へ。楽しかった現社長との面接で入社

▲留学先のドイツでできた友人との集合写真(辻は写真中央)

 

辻は、2021年に新卒でクレスコに入社。就職活動の軸は“ものづくり”、“新しい技術”、“今後も成長が期待できる業界”の3点で、最も合致したIT業界への就職を目指していました。

辻 「思い返すと、中学時代から『何らかの技術を学んで製品を開発する仕事がしたい』と考えていました。大学は外国語学部で文系でしたが、この想いが頭の片隅にあり、自分のやりたいことを見直した結論が、ものづくりでした。『文系出身でも、ITならものづくりに関われる』と考え、IT業界を目指しました」

クレスコへの入社の決め手は最終面接だったと辻は言います。

辻 「特に、現社長の冨永さんとは非常に話しやすかったことを覚えています。私はサッカーが好きで、ドイツに留学していた大学時代の話で盛り上がりました。最初は緊張したものの、次第にほぐれていくのが自分でもわかり、『役員との面接なのに楽しい』と思えました」

クレスコに入社し、新人研修後は、「組み込みシステムに携わりたい」という希望が通り、名古屋事業所に配属。配属後は1カ月間、自動車業界向けのシステム動作確認テスト工程の自動化案件に携わり、内部資料の精査やテスト項目の抽出作業を担当しました。

 

そのあとに8カ月ほど担当したのが、車載IoTシステムのPoC(※)案件でした。
※PoC:試作の前段階で行われる、新しい概念や理論などが実現可能かを示すための簡易的な実証

辻 「Androidのタブレット端末と車内のシステムを連携させ、タブレットで車内のシステムを操作したり、車内のCO2濃度をセンサで検知して、換気を促す通知をさせるようなIoTシステムです。

 

この開発には苦労しました。『文系出身の新人だから、プログラミングをするのはまだ先だろう』と思っていたのにプログラミングをすることになり、しかも使用するプログラミング言語が、研修では扱わなかった言語だったんです。最初の1カ月間は本当に必死でした。

 

不安や疑問だらけの中で、自ら率先して何でも調べましたが、周囲のサポートも手厚く、質問すればすぐに回答してくれました。退勤後も『どうすればこのシステムを動かせるのだろう』と考えを巡らせ、考えたことを翌日に試す……。ということを繰り返す日々でした」

苦労を乗り越え、入社1年目の案件で実績をあげる。若手3人で“CRESCO AWARD”受賞

▲毎年4月に行われる全社イベント“CRESCO KICKOFF”にて“CRESCO AWARD”を受賞(辻は一番左)

 

他にも、工場などで使用される無人搬送車を操作するためのタブレット画面の開発など、約1年間で5件の案件に参画した辻。

 

そんな辻が最も大変で印象深かったと振り返る車載IoTシステムのPoC案件は、苦労が報われ、2021年度の“CRESCO AWARD”を受賞しました。

辻 「“CRESCO AWARD”は社長賞のようなものです。他の受賞者の年代はベテランから若手までさまざまですが、私たちのチームは、表彰当時入社2年目になったばかりの私と同期、そして2年上の先輩の合計3人で、授賞チームの中では平均年齢が一番若いチームだったと思います。

 

PM(プロジェクトマネジャー)はいたものの、開発担当は若手3人しかいない中で、試行錯誤しながら開発を進め、時には自分たちがお客様への提案や仕様の調整を行い、無事に納品して、先方からも高く評価していただけたことが受賞の理由です」

チーム発足当時に任された業務で使用する技術は、全員にとって初めてのもの。2カ月ほど先に参画していた辻が中心となって連携を取り、2人をサポートしました。

 

何かあればすかさずチャットを送り、2人の困りごとをキャッチアップ。必要に応じてミーティングを開き、内容を上司に報告してフィードバックをもらい、不明点はお客様にも積極的に質問していきました。

辻 「正直、業務に費やす時間は多かったです。参画時期が2人よりも早かったこともあって、自分が覚えたばかりの技術を2人に教えながら、納期に間に合わせようと必死でした。先のこともあまり見えませんでしたね。

 

それでも、『自分たちは着実に前に進んでいる』と日々感じていました。3人とも手が止まって立ち尽くしているということはなくて。やっている最中は手ごたえを感じるどころではありませんでしたが、上司から『よく頑張っている』と言われるのも励みになりました」

「今考えると、自分でもよく頑張ったと思う」と辻は続けます。

辻 「最初は不安しかありませんでしたが、振り返ってみると、『若手でもプログラミングをさせてもらえる』、『成長させてもらえる』、『必要に応じてフォローできるよう見守ってくれている』ということを感じています」

人と人、拠点と拠点とをつなぐ架け橋となり、名古屋事業所をもっと大きく

▲第三エンベデッドソリューション事業部 名古屋開発センター 辻 響平

 

入社から1年と半年が経ち、いろいろと成長したと、辻は振り返ります。

辻 「IT知識ゼロからのスタートだった私にとって、ひとりでプログラムを書けるようになったのはすごいと思います(笑)。仕様書を見て、どのようにすれば仕様書通りのものを作れるか、ということもわかるようになりました」

人間としても、考え方が大きく変わったと、辻は続けます。

辻 「入社前は完璧主義で、ひとりで抱え込む性格でした。しかし、今では『迷ったら共有する』、『わからなければフォローを受けて答えを出す』という意識になりました。分からないことが多い業務の中で、ひとりで悩んで業務が止まることが、最も良くないことだと考えています」

そんな辻が入社時から大事にしていることは、コミュニケーションだと言います。

辻 「自分から発信することを心がけています。質問をする相手は忙しいことが多いので、最初は質問のタイミングをはかっていましたが、その時間がもったいないなと。とにかく自分の状態を伝えるようにしています。詰まったときは、作業全体の優先順位を考えた上で、この作業を後回しにできないかと上司に提案することもあります」

技術レベルだけではなく、ビジネスマンとしてのレベルを着実に上げている辻。今後の目標も明確です。

辻 「名古屋事業所の規模を大きくしたいです。今は自動車関連のシステム開発がメインですが、いずれは他の業界向けの案件もできればと考えています。

 

そのために、大阪だけでなく、いろんな事業所のメンバーと関わってみたいですね。福岡事業所にも出張したことがあるのですが、事業所によって強みが異なります。事業所間のつなぎ役になって、事業所間で技術スキルを伝道できれば、名古屋事業所内でできることも広がると考えています」

「新しいことへの挑戦や、スキルアップのための勉強会の開催にも積極的な会社なので、実現する環境はあると思います」と辻は続けます。

辻 「顔や、人となりを知っている人が増えると、コミュニケーションが円滑になると思います。多くの方と交流し、いつか『辻に任せればやってくれるだろう』と思ってもらえるようになりたいです」

人と人、拠点と拠点をつないでいく──そんな架け橋となる未来を追いかけながら、辻は今日も一歩一歩前に進んでいきます。

 

※ 記載内容は2022年10月時点のものです