IT未経験からクレスコに新卒入社し、2度の産休・育休を経て2018年にプロジェクトマネジャー(PM)に昇格した石毛 晶子。もともと希望していなかったPMというポジションへの挑戦を決断した背景と、PMとして仕事に向き合う上で大切にしていることを語ります。
▲第2ビジネスソリューション事業部 プロジェクトマネジャー 石毛 晶子
クレスコの第2ビジネスソリューション事業部に所属する石毛は、2022年11月現在、プロジェクトマネジャー(PM)を務めています。
石毛 「この事業部が担当するのは、主に旅行・航空業界のお客様の案件。近年は他の業界のお客様開拓にも力を入れています。
案件としては、ユーザーが利用する予約システムから社内の基幹システムまで、幅広く携わっています。既存システムの保守や改善、お客様からの要望を受けた新しい機能の開発だけでなく、お客様の経営戦略に沿ったシステム提案等、お客様に寄り添った支援を心がけています」
現在石毛が担当するのは、旅行会社向けの保守・エンハンス(既存システムの改修や性能向上、機能追加)開発案件。この顧客向けの開発案件は他にもあり、関わるメンバー数も多いので、PMは石毛の他にもう一人いて、さらにその上に統括PMがいる、という体制です。
石毛 「私は、お客様のWebサイトを中心としたエンハンス案件の立ち上げが主な役割です。統括PMがお客様の経営層から経営戦略をヒアリングし、それをもとに私がシステム改善方針を提案したり、実際に開発することが決まったら、システム要件を固めたりしています」
石毛が率いる案件は、社員とビジネスパートナーを合わせて現在10名。各自の得意分野に合わせて、担当する領域を決めていると言います。
石毛 「案件の中でも、開発する機能ごとにチーム分けしており、私が主にコミュニケーションを取るのはチームリーダーが多いです。私の話もそうですし、各リーダーの配下のメンバーの話もよく聞いてくれる、頼りになるリーダーばかりです。
PMという立場上、案件の中では判断を下す場面もありますが、私は基本的に相談しながら進めるタイプ。部長や同じ事業部のPMらも親身に相談に乗ってくれるので、とても助かっています」
周囲に支えられながら、PMとして活躍する石毛。しかし以前は、今のようなPMになる、という考えを持っていませんでした。
▲2008年のクレスコ創立20周年記念旅行では、同期と共にハワイに行った(石毛は写真右)
2003年にクレスコに新卒入社した石毛。商学部卒で、未経験でITの世界に飛び込み、ときに自分たちで、ときにお客様との関係の中で、必要な知識を身につけてきました。
石毛 「新人研修で基礎を学んだ後は、開発案件と並行して、自主的に研修に参加したり同期と一緒に勉強会を開いたりしながら勉強し、それを実践で試すプロセスを繰り返していきました。
また、お客様にとってより便利で使いやすいシステムを開発するためには、お客様の業務知識も必要です。お客様先に常駐して開発していた際は、身を持って学ぶことができましたし、お客様へのヒアリングやいただいた資料から業務知識を仕入れることもありました」
順調に成長し、2度の産休・育休を挟みながら、キャリアアップを果たしていった石毛。「今後はPMを目指そう」と言われていたものの、「子どもが小さく短時間勤務の中で、PMのような責任ある立場はできない」というのが、当時の石毛の本心でした。
ところが、今も携わる旅行会社の案件に参画して、その気持ちが一変することになります。
石毛 「2016年、2回目の育休明けに、今のお客様の案件に初めて参画しました。フェーズごとにリーダーがいるような、私の経験上は一番大きな案件で、私は複数名いるリーダーのひとりでした。
すでに遅れが発生していて、最終的には休日出勤したり、参画メンバーを急遽増やしたりするなどしてどうにかカバーしました」
その時に、リーダーという立場の壁を感じたと言います。
石毛 「チームの役割を果たすために、メンバーの追加をPMに打診していましたが、他のチームも含めた全体を考えて判断する必要があり、実際にメンバーを増やすかどうか、増やすのであれば、誰に参画してもらうかの判断もPMの役割。
全体を見る必要があることは理解していましたが、“自分自身で”調整したり改善したりできないことに、もどかしさを感じました」
自分でできれば、もどかしさは薄れるのかもしれない──このことをきっかけに、PMとしてチームを率いていきたいとの想いが、石毛に芽生えます。タイミングよくPMへの昇格を打診され、昇格試験に合格し、石毛は2018年にPMとなりました。
▲2011年と2014年に出産。2020年春の緊急事態宣言時には、極力屋外で子どもとの時間を過ごすように心掛けた
PMに就任して以来、石毛には大切にしていることが2つあります。1つは、メンバーに裁量権を与えることです。
石毛 「実際の開発は、リーダーを中心に進めてもらうほうがうまくいくと考えているんです。メンバーへの指示や理想的な進め方の検討はリーダーにやってもらい、私はリーダーから意見を吸い上げてお客様や社内との調整を行い、みんなが働きやすい環境を整えることが仕事だと思っています。
また、各自が自発的に行動してもらうために、私はリーダーに対して、リーダーはメンバーに対して、担ってほしい役割や期待値を細かく伝えるようにしています」
もう1つは、ワークライフバランスの実現です。
石毛 「メンバーそれぞれがパフォーマンスを最大限に発揮するために、メリハリを意識しています。仕事なので、頑張らなければいけない時は責任を持って取り組む必要がありますが、休むときはしっかり休むことが大事だと思っているんです。
みんなが効率的に仕事をこなし、遠慮なく休めるようにするためにはどうすればいいかを考えながら、環境整備に取り組んでいます」
ワークライフバランスを大切にする背景には、石毛の実体験があります。
石毛 「育休明けで今の旅行業の案件に初めて参画したとき、すごく時間に追われていたんです。旅行業の案件は初めてで業務知識もない中、子どもの保育園のお迎え時間も意識しなければならず、お迎えが遅れてしまう時もつらいと感じていました。
そんな中でふと、必要以上に一人で背負い込もうとしていたことに気づきました。『自分で何でもやろう』と思っていたんです」
このタイミングで、「自分が今、本当にやるべきことは何か」と自問自答。結果として、チームで結果を出すことを意識するようになります。
石毛 「チームには、私より技術スキルが高い人や、短時間で高品質のアウトプットを出せるメンバーがそろっているのだから、それぞれが気持ちよく仕事ができる環境づくりをしようと考えるようになりました」
▲チームリーダーとの振り返りの場面。チームメンバーの振り返りコメントを確認しながら、課題を改善し、良かったことは継続して次につなげる
現在も石毛は、自分と一緒に仕事をする人たちが、やりがいと満足感を持って働けるよう、チームとして、それぞれのパフォーマンスを最大限発揮できるようにしたい、という想いで業務に向き合っています。
石毛 「メンバーと一緒に立ち上げた案件が計画通りに進められているときも嬉しいですし、問題があっても、振り返って、結果として改善する、それができるチームであることも嬉しいですね。
ただ、一番嬉しいと感じるのは、半期に一度実施する評価面談の際に、メンバーやリーダーが『こういうことができるようになった』と成長を実感し、私が評価する立場としてそれを『良かったね』と言えて、互いに喜びを分かち合える瞬間です」
他にも、メンバーが他の人から評価されたときには、誇らしく感じるという石毛。今後の目標は、頼りがいのある存在になることです。
石毛 「お客様からも社内のメンバーからも、『石毛となら一緒にやっていきたい』と思われるようになりたいですね。信頼して仕事を任せてもらえたり、一緒に働いて楽しく成長してもらえたりすることを目指しています。
また、私は『知識がなくて判断できない』ことがいやなんです。なので、環境づくりだけではなく、知識もインプットしていきたいと考えています」
そんな石毛は、理想のPM像をこう考えていると言います。
石毛 「PMとしては、メンバーの意見を尊重して動くことが必要だと思っています。要所要所で責任を取る必要もあるので、自分で判断していく必要もありますが、切羽詰まったときこそ周りを頼って、最後までやり遂げる力が必要だと考えています。
実際に、周りのPMや上位層をみても、まずは話を聞いて、その上で情報共有したり相談を進めたりする人が多いと思います。会社全体としても、人とのつながりを大事にしている会社だと思います」
個々が本来の力を発揮できるようなチーム本位の組織づくりに注力してきた石毛。安定飛行の鍵は、メンバーの力を信じること。メンバーがもっと成長して大きく飛躍できるように、石毛はこれからもチーム力に磨きをかけ続けます。
※ 記載内容は2022年11月時点のものです