Webフロントエンド技術に強みを持ち、数々の開発案件にて、技術力でチームをリード・フォローしてきた森木 研人。メンバーの業務環境に気を配りながら、培ってきた技術を社内外に広める活動にも力を入れています。もともとは技術に注目しがちだった森木が視野を広げたきっかけと、今後の抱負を紐解きます。
▲CETは年に一度キックオフと表彰がある。森木は2022年度に「QA対応賞」(社員の質問に積極的に回答し実際に感謝された数が多いCET)を受賞(森木は写真左)
2006年にクレスコに新卒入社した森木の所属部署は“デジタルソリューション推進室”。顧客のDX実現を支援する製品・サービスからなるソリューション群“デジタルソリューション”の新規開発や、ビジネス規模の拡大がミッションです。
「間接的に関わりのある案件も複数ありますが、主要メンバーとして携わっているのは今話題のChatGPT関連のデジタルソリューション開発案件です」
森木は2016年から“CET(※)”としても活動しています。Webフロントエンド技術のエキスパートとして、開発案件立ち上げや技術フォローなどを行っています。
※ CET:“CRESCO technical Expert Team”の略。特定の技術や知識の第一人者として社内認定されたメンバーで構成され、社員のフォローや勉強会の開催などを行っている
「Webフロントエンド技術は、Webブラウザで動く画面を作るための技術です。昔からある技術と比べて、Webサイトをもっと使いやすく、もっとおしゃれに見せたいときに活用します。
CETには他にもさまざまな強みを持ったメンバーがいて、開発手法やプログラミング言語のようなIT知識だけでなく、お客様の業界の知識や動画制作のCETもいます。現在CETとして活動しているのはグループ会社の方も含めて約60名です」
また、CETとしての活動以外にも技術ブログの記事を作成したり、最近はWebフロントエンド技術の社内コミュニティを立ち上げ知識を伝道する活動も行ったりしています。
「Webフロントエンド技術はお客様からのニーズが高まっていて、『Webフロントエンドの技術でこんなシステムを作ってほしい』と依頼されることが増えています。そのため、社内にコミュニティを作ってメンバー同士で知識やスキルを深めていくほか、メンバー以外の社員にも知識を拡げるための教材を作ることを検討しています。最近の目標は、このコミュニティを軌道に乗せることですね」
▲勉強会は今でも活発に行われている。森木が主催している勉強会のひとつ“もくもく会”のオフ会にて(森木は左から2番目)
子どものころから、モノづくりやコンピューターゲームが好きだったという森木。次第にコンピューターに携わる仕事がしたいという思いが生まれ、学生時代は情報系の学部に進学しました。
「就職活動では特定の領域に縛られず、いろいろな仕事に関わる機会がある独立系のIT企業を軸に活動しました。
いくつか選考を受けた中で、当時のクレスコは社員数が多すぎず少なすぎず、いい意味でベンチャー過ぎない雰囲気の中でベンチャーのようにやりたいことにチャレンジできそうだ、と感じていました。面接でもざっくばらんに会話してくれて、裏表がなさそうな印象だったことも入社の決め手になりました」
森木がクレスコに入社した後の最初の配属先は、航空・旅行業界向けのシステム開発を担う部署でした。
「技術好きな先輩が多く、業務外で勉強会を開くとか、新しい技術を使って何かを作ってみるといった、さまざまな取り組みがありました。そんな先輩方を見て、自分も技術により傾倒するようになりました」
森木が入社したタイミングは、ちょうど日本でスマートフォンが流行し始めたころ。森木もそれに飛びついたと言います。
「それまで主流だったガラケーと違って、スマホでは多種多様なアプリを動かせます。仕事としての開発案件の話はなかったのですが、独学でAndroidアプリを作り、Google Playへの公開まで行っていました」
あくまでも個人的な興味から始めたスマホアプリ開発ですが、その後の仕事にもつながっていくことになります。
「その後、クレスコ内でスマホ関連の部署を作ろうという動きがあり、その部署の部長となる方が、私が独学で学んだAndroidの知識を社内の勉強会で発表したことを覚えてくれていたのです。
そしていざその部署ができたとき、私もその方に誘われる形でその部署に異動しました。独学で身につけた技術が業務につながったことは、自分の中でも印象に残る出来事でした」
▲森木は2019~2020年度の中期経営計画策定メンバーとしても活動した(森木は一番左)
他にも印象に残った出来事として、森木は「大きな仕様変更が発生した案件」を挙げています。
「2015年ごろのことだったと思います。メーカー向けのモバイル端末開発案件で、私のいるチーム以外にも複数チームがあり、多くの人が携わっていました。私は、お客様の研究開発部門で使用する、プロトタイプアプリケーションの開発チームリーダーとして参画しました」
そんな大型案件に発生した仕様変更は、“OSの変更”でした。
「もともとAndroidを使う予定でしたが、別のOSを使わざるを得なくなりました。OSの変更は、正直、非常にインパクトのある仕様変更です。最初は『どうしよう』という雰囲気でした」
結果、Webフロントエンドの技術を使用して開発することになりました。
「私はWebフロントエンドの技術も独学で学び、業務ではないですが開発した経験がありました。ただ、メンバーはAndroidを使用する前提で集まったので、ゼロから学ぶメンバーもいました。
でも、『新しい技術を学びたい』というモチベーションの高いメンバーばかりで、無事に納品することができました。仕様変更に伴うスケジュール変更などお客様にもご協力いただきましたが、ポジティブに考えて一生懸命ついてきてくれたメンバーのおかげだと思っています」
森木はこの経験を経て、“チーム”で開発することの重要性を再認識したと言います。
「それからは、メンバーのことをより考えるようになったと思います。
たとえば、メンバーが書いてきたプログラムをレビューするとき、ただ指示を出すとか修正を入れるのではなく、『なぜこっちの方が良いのか』などの背景を説明するなど、納得感を得ながら知識として吸収できる情報を添えて指摘するようにしています。その方がお互い気持ちよく作業できる関係性が作れると思うからです」
▲DXビジネス統括部 デジタルソリューション推進室 ITアーキテクト 森木 研人
森木は2021年にデジタルソリューション推進室に異動し、また違う視点を学んだと言います。
「デジタルソリューション推進室は、ソリューションを作って使っていただく、一般的な表現で言うと『商品を作って売る』というビジネスを拡大していくのがミッションです。
クレスコには、お客様の個々の要望をカタチにする“ITサービス”というビジネスもあり、これまでのクレスコはITサービス中心で、私もその形の業務をしてきました。
今もそれが強みですが、日本の人口変動などを考えると、開発規模に応じてエンジニアの人数も必要になるビジネスだけだと限界があります。なので、個別のニーズではなく市場のニーズに応える形で、さまざまなお客様のDXを支援するデジタルソリューションには近年とくに力を入れていますし、私としてももっと伸ばしていかないといけないと強く思います」
より価値の高いデジタルソリューションを作るためには、Webフロントエンドの技術も必要になると森木は続けます。
「先ほどお話しした通り、お客様からのWebフロントエンドの技術に対するニーズが増えているので、ITサービスとデジタルソリューション開発、どちらにも必要な技術になっていくはずです。『クレスコの社員であればWebフロントエンド技術の基礎知識がある』という状況にしていきたい。そのためにコミュニティを盛り上げていきたいですね」
そんな森木が今一番やりがいを感じる瞬間は、メンバーの成長だと言います。
「メンバーが気持ちよく作業できる環境をつくることを意識しています。そういう環境があるからこそ、技術が好きな人が集まって、気軽に話ができて、それを通してさらに成長できると思います。そうして技術が好きな人が増えていくことが、シンプルに嬉しいですね」
「以前同じチームだったメンバーが育って、別の案件に行って活躍している、なんて話を人づてに聞いたりすると嬉しいですよね」と笑って語る森木。自身、メンバー、そして会社の成長を願ってやまない森木の技術に対する情熱は、決して尽きることがありません。
※ 記載内容は2023年6月時点のものです