自動車メーター開発案件のリーダーとして、開発が円滑に進むように調整を行っている松本美月。人に興味を持ち、会話を楽しみながら、人と人とをつなげることがやりがいにつながっています。そんな松本のこれまでの経験と、今後の展望を紐解きます。
▲エンベデッドソリューション事業部 プロジェクトスペシャリスト 松本 美月
2008年に新卒でクレスコに入社後、一貫して組み込みソフトウェア開発に携わってきた松本。現在は車載メーターの開発案件でリーダーを務めています。
松本:「私はお客様との交渉やメンバー管理などの調整業務が中心で、開発はメンバーに任せています」
お客様であれ社内メンバーであれ、人と関わることが純粋に好きだという松本。
業務が行き詰まっているメンバーがいたら担当を変更したり、他のメンバーと協力してもらうなどの調整を行い、結果業務が円滑に進むようになったときに、「やった」という気持ちになるそうです。
松本:「私が携わってきた案件は、『まずは開発を経験して、その後リーダーになる』という流れが多く、私も以前は開発業務を担当していました。でも、今考えると、管理業務にシフトするのが比較的早かった気がします。多分、私の性格や得意分野を見てくれていたのかなと思います」
そんな松本の出身は、情報処理系の専門学校。情報システムについて学びました。
松本:「当時、居酒屋でアルバイトをしていたのですが、バイト先の先輩から『クレスコという会社の面接が面白かったから受けてみては』と勧められました。そのことを自分の就職活動の時まで覚えていたので、私も受けてみることにしました」
実際に、クレスコの面接は他社と違ってユニークだと感じたそうです。
松本:「面接の控室にいた人事の方が想像以上にカジュアルだったり、二次面接は『クレスコという会社を知ってほしいので、聞きたいことは何でも聞いてください』から始まって、驚いたことを覚えています」
さらに、当時の社長が面接官だった最終面接では、居酒屋アルバイトの話の流れから、社長にビールの注ぎ方を教えたことが非常に印象的だったと、松本は振り返ります。
松本:「全体的に、とにかく型にはまらない面接でしたね。実際に入社して同期のメンバーを見回してみると本当に個性的な人ばかりなので、アルバイト先の先輩の話を聞いたときから、クレスコの印象は変わっていません(笑)」
▲育休復帰後のとある休日の一枚
2015年と2017年に育休を取得した松本。復帰後にPMO(※)として業務を経験したことが、その後の仕事にも活きたそうです。
※PMO:開発案件のマネジメントに関する各種支援や調整業務を担う役割
松本:「PMOの業務は幅広く、メンバーが使用するパソコンのセットアップやチームに必要な備品の手配など、事務的な業務もあるので、それまであまり関わりのなかった管理部門の社員とも繋がりができ、視野が広がったように思います」
業務が幅広いからこそ、自分で業務を見つけて自由に動くことができる環境にいた松本。「社内フリーランスをしているようで新鮮だった」と振り返ります。
松本「やりがいという意味では変わらなくて、メンバーの困りごとをうまく解消してあげられた時は、『今夜のビールはうまい』と思っていました(笑)」
そんな松本ですが、以前は今とは真逆のスタンスだったと言います。
松本:「幼い頃は1人で延々と遊んでいるような子で、入社して最初に配属された携帯電話のとある機能を開発する案件でも、業務をひとりで抱え込むタイプでした。周りの先輩方がすごくできる方ばかりだったので、気負っていたのかもしれません」
なんでもやろうとする松本を見かねて、指導員の先輩がかけてくれた一言が松本を変えたと続けます。
松本「さらっと、『自分ひとりで手に負えない時は、頼ればいいんだよ』と、声を掛けてくれたのです。あまりにもさらっと言われたので戸惑いましたが、仕事を押し付けるという意味ではなく、チーム全体がうまくいくことが大事なんだということに気づきました。肩の力が抜けた感じでしたね。
それ以来、『ひとりでなんとかする』から『チームで助け合う』という考え方ができるようになり、今の仕事の仕方にもつながっています」
▲FamilyDayにて、ゲストを見守る松本(写真左)
松本は社内活動にも積極的に参加しています。
松本:「2021年に開催されたクレスコフェア(※)というイベントで、子供向けのIT体験コーナー“クレきっず”の運営に参加しました。
最初は“社員の家族向けの企画”ということしか決まっておらず、自由に企画できるからこそ大変だったこともありましたが、参加したお子さんたちが楽しそうに体験する姿を見ることができ、本当にいい経験でした」
※クレスコフェア:社員がIT技術を駆使し、創意工夫を凝らした多彩なシステムやサービスを展示する独自イベント
クレきっずが好評だったことを受けて、松本は「クレスコフェアがなくても、家族向けのイベントがあればいいのに」と思うようになります。
そのことを事業部長に話したところ、「“ヨクスル”に投稿してみたら?」と勧められたそうです。
松本:「ヨクスルは社内コミュニケーションツールを使った、全社員参加型の提案・改善プラットフォームです。当時は社員が投稿した案に対して、“いいね”が規定数集まると、提案を実現するタスクフォースが立ち上がる流れでした」
松本の「家族向けのイベントを開催したい」という案は多くの“いいね”がつき、2023年1月に“FamilyDay”というイベントの開催が決まりました。
松本:「運営スタッフもヨクスルの中で募集をかけたところ、年次や部署を問わず多くの方が集まってくれました。クレきっずの運営メンバーにも声をかけたら、また一緒にやりたいと言ってくれる人が多くて、とても嬉しかったです」
提案者の松本は、FamilyDayのリーダーになりました。上の立場のスタッフも多くいる中で、最初は戸惑ったと言います。
松本:「いざ企画を始めてみると、事業部長クラスの方が自分から『やっておくね』と動いてくれたり、マネジャークラスの方が『この作業は引き取るよ』と気遣ってくれました。若い年次の方も主体的に動いてくれましたし、『このチームは大変そうだけど何かする?』など、チーム分けがされていても縦割り感なく、スタッフみんながモーターになってくれました」
参加者からも好評だったFamilyDayは、2023年11月に第2回が開催されました。
松本:「第1回でゲスト参加して、準備も楽しそうだったからと第2回はスタッフになってくれた方もいます。何かに対して、面白いと思ってくれる人がいる会社なんだなと感じましたね」
▲満足度の高かったイベントとして、FamilyDayを企画した松本は、2023年4月にCRESCO AWARD(社長賞)特別賞を受賞した(松本は写真右)
松本の現在の目標は、自分を高めることだと言います。
松本:「仕事の幅を広げるために、技術の知識をもっと身に着けたいです。今自分が担当している案件に特化したものではなく、他の案件でも通用する、汎用的なものがいいと考えています。
今は自動車分野の案件にいますが、自動車のIoT化が進んでいます。動画も観られるし、Bluetoothで音楽を聴ける。どんな機能でも搭載できる可能性があるので、今後どうなるのか、なかなか読めません。これは自動車の世界に限った話ではなく、家電製品やロボット、センサーなど、あらゆる世界で起こりうることです。
なので、例えば通信ネットワークとか、セキュリティとか、どんな製品でも必要になる分野に関する知識をもっとつけたいです」
ただし、自分の軸である“調整”は、維持していきたいと続けます。
松本:「人への興味が強いですね。クレスコのような企業では、お客様先に常駐して開発するとか、派遣されてお客様の一員として業務に従事することに対して、尻込みする人もいるようですが、私は話すのが好きなので、お客様先にいた方が人と話す機会が増えるのでは、と思うほうです」
「実際に過去、派遣されてお客様先にいた時も楽しかった」と振り返る松本。松本は、そんな人と人をつなぐ“ハブ”のような役割を、少し特殊だと考えていると言います。
松本:「勉強すればいいというわけではなく、人が好きという気質が大きく関わってくると、個人的には考えています。人の考え方や感じ方は人ぞれぞれですし、私も『この人は一筋縄ではいかなさそうだな』と感じるときもあります。
そういう人に向いていそうな業務を割り当てて、その人が本来の力を発揮できている様子を見ると、達成感がわいてきますね。緩衝材みたいな人になれたらいいなと思っています」
相手を知ることがまず第一、と心がけている松本ですが、まだ足りない部分があると続けます。
松本:「話好きなのが災いして、私のほうが喋りすぎてしまう傾向があると認識しています…。相手に気持ちよく話してもらえる会話の仕方も勉強したいです」
システム開発はチームで行うもので、連携が不可欠。松本は今日も、人と人をつなげて、場を円滑に、そして明るく照らしています。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです。