札幌事業所 でAI関連の開発案件に携わっている石丸 桃子。2023年に新卒入社したばかりですが、業務以外にも、部門のコミュニケーション活性化や社外活動など、積極的に活動しています。そんな石丸が目指す目標と、その思いを形成する“人生の指針”とは。

ChatGPTを扱う案件 に携わりながら、社内外の活動にも積極的に参加

▲地域イノベーション本部 北海道開発センター 石丸 桃子

 

現在石丸は、物流業界向けの、ChatGPTを活用した社内システム開発に携わっています。

石丸:「一般的な開発案件のように、開発するシステムの要件が決まっている状態ではなく、『ChatGPTって何に使えるのだろう』『どういうシステムが作れるのだろう』など、お客様と一緒にアイデアを考えていくところからスタートする案件です。

 

お客様と打ち合わせを重ねていく中で、お客様の要望が少しずつ見え始めてきたので、今はテスト用の小規模なシステムを作っている段階です。ChatGPTをうまく使ってお客様の社内業務を効率化させることが最終目的です」

石丸が所属する札幌事業所には、80名強の社員が在籍しています。

石丸:「みんなとても温かくて、雰囲気の良い職場です。業務だけでなく、事業所内の活動も楽しく参加させてもらっています。個人的には飲み会がすごく楽しいです(笑)」

石丸はこれまでに、業務のほかに、所属部門の委員会活動にも参加しています。

石丸:「委員会では、コミュニケーションの活性化をテーマに活動しました。リモートワークが中心になっている中、月に1〜2回ほど設定されている部署別出社日に、1時間ほど集まってお菓子などを食べながら雑談する時間を設けたり、個人の仕事観を振り返るグループワークなどを実施しました。

 

クレスコでは、毎月エンゲージメントサーベイ(社員のモチベーションや満足度を把握する調査)を行っています。委員会活動を経て、私達の部署のスコアを見せてもらったところ、スコアが少し向上していたので、ある程度貢献できたのかなと思っています」

石丸は他にも、社外活動として、“AI道場(※)”にも参加しました。
※AI道場:札幌市が運営する“札幌AIラボ”が実施している、実践的AI人材育成プログラム

石丸:「約半年間で、札幌市内の企業や団体のメンバーや、AIを勉強したいという人が集まって、道内企業の実際の課題に対し、AIを用いた解決手法を検討・提案するとともに、その内容を成果として発表する取り組みです。社外の方と一緒だからこその楽しさや難しさを感じながら、多くのことを学ばせてもらいました」

研究室での活動を経て、ITが好きになった

▲大学院時代の研究発表会にて

 

理系の科目が好きで、将来は手に職をつけたいと考えていた石丸。大学では情報工学を専攻しました。

石丸「大学に入るまでIT系の勉強はほとんどしていなくて、人並みにパソコンを触ったことがある程度でした。いざ大学でプログラミングなどを本格的に勉強してみたら、正直あまり好きになれず…。

 

大学院に進学したいとは思っていたので、大学4年生の時に『あと2年勉強してみて、それでも好きになれなかったらIT業界に就職するのはやめよう』と思っていました」

そんな石丸は大学4年生から大学院生の合計3年間、AIに関する研究室に入りました。

石丸:「『AIって、なにができるのだろう』と思い、AIの研究室を選びました。研究内容は、うつ病やPTSDといった精神疾患の有無を、人の話し声で診断することが可能かどうかを調べる研究です。疾患のある方とそうでない方の音声データを使ってAIに判断させるという実験を、繰り返し行いました。

 

AIに学習させるデータにもよると思いますが、私が行った実験では8〜9割の確率で診断可能という結果を得ることができ、英語の論文も2本ほど書きました」

研究室での活動を続けるうちに、石丸のITに対する感情に変化が現れます。

石丸:「研究結果が実際に医療現場で活用されるのは、もっと研究が進んでからとは思いますが、医療現場で研究結果が活用されることになったことをイメージしたら、すごく嬉しかったんです」

ほかにも、研究を進める中で、自分が書いたプログラムが思った通りに動いた時や、学部生向けの講義にチューターとして参加し、自分が教えたことを実践した結果、うまくいって喜んでいる後輩の姿を見た時にやりがいや楽しさを感じた石丸は、大学院修了後もITに携わりたいという気持ちが強まっていきました。

同じAIでも異なる分野に取り組み、知識を吸収する

▲新人研修後に携わった文書検索システム開発の、札幌側のチームが東京に出張した際の懇親会にて(石丸は写真左下)

 

就職活動では、IT業界の中でも、幅広い分野に携われることにこだわったと言います。

石丸:「今まで学んだAIの知見を活かすよりは、システム開発を通して、いろんな業界に触れてみたいという気持ちが強かったので、幅広い分野に携われるような会社を探していました。クレスコは独立系で、幅広い業界のお客様のシステムを開発していると知り、希望がかなえられると思い、選考を受けました」

就職活動のもう1つの軸として、“北海道で働くこと”があったといいます。

石丸:「地元である北海道で働きたいという思いもありました。クレスコは福岡や大阪など、配属される事業所が確約されている採用枠がありました。私は札幌事業所採用枠で応募していたので、内定をもらった時点で札幌で働くことが決まっていて、安心して入社することができました」

こうして2023年に新卒でクレスコに入社した石丸。最初に配属されたのが、ChatGPTを活用した文書検索システム開発案件でした。

石丸:「お客様は材料・化学分野の企業で、技術者が論文や特許情報などを確認する際に、膨大な情報の中から文書を探し出して、文書の中のほしい情報を見つけづらいという課題がありました。そこで求められたのが、ChatGPTを活用し、効率的に目的の文書にたどり着けるシステムです」

東京本社のメンバーと札幌事業所のメンバー、合計8名で取り組んだこの案件で、石丸は多くを学んだと振り返ります。

石丸:「初めての案件で、仕事の進め方が何もわからない状態でした。技術面でも、AI全般的な知識は学生時代の学びを活かせましたが、今回は研究で扱っていた音声ではなく文章や文字などの言語なので、私にとっては新しい分野です。

 

同じチームの先輩方には非常にお世話になりました。開発チームの運営や、業務としてのシステム開発の進め方など基本的なことを学べましたし、AIを業務で扱った経験のある方ばかりだったので、AIで文章を扱うことに関しても知識を吸収できました」

人生の指針は「未経験のことは何でもやってみる」

▲札幌事業所20周年記念式典での社員バンドメンバーと(石丸は下段一番右)

 

がむしゃらに業務に取り組んだ入社1年目の中で、石丸は部内の委員会活動やAI道場のほかにも、大学院時代の研究成果を社内勉強会で発表したり、2023年に開催された“札幌事業所20周年記念式典”では社員バンドに参加したりと、積極的に活動しています。

石丸:「入社してからは、『チャンスがあれば逃さない』をモットーに、業務との兼ね合いを考えながらもいろいろな活動にチャレンジしてきました。

 

私の人生の指針として、『未経験のことは何でもやってみる』があります。中学、高校、大学と、恩師と呼べる方がいて、みなさん共通して視野が広いんです。異なる意見に対しても、否定ではなく『そういう考え方もあるんだね』と受け止めていて、自然と憧れを持ちました」

だからこそ、未経験のことは視野を広げるきっかけになると、ポジティブに考えている石丸。今後も“幅広い人”になりたいと続けます。

石丸:「ひとつのことに特化しているというよりは、自分の限界を決めずに、いろんなことの知見を持っている人になりたいです。そうすれば、恩師のように、いろんな価値観を受け入れ、自分に取り入れられるようになるのではと考えています」

技術者としても、ITインフラやアプリケーションなど、複数の分野の知識を持ち、複数の役割を自分一人で担うことができる フルスタックエンジニアを目指したいと言います。

石丸:「上司からもフルスタックエンジニアを目指してほしいと言われています。もともと幅広い技術に携わりたくて入社したので、自分の軸に合致していて、それを会社が応援してくれるのはありがたいという気持ちです。

 

私は、技術は手を動かして実践しないと身につかないと考えています。そのために業務では、『やったことがないからできません』ではなく、未経験分野でも自分なりに勉強して、『やってみてもいいですか』と言うようにして、実践できる機会を増やしています」

自分の理想を実現すべく、臆することなくさまざまなことに取り組み続ける石丸の挑戦は、まだ始まったばかりです。

 

※ 記載内容は2024年4月時点のものです。