2017年に新卒で入社し、自動運転技術の研究開発やPoC開発に従事してきた、IoT&モビリティテクノロジーセンター 片倉由貴(カタクラユウキ)。所属する部署では、展示会等でのデモ出展などの活動にも精力的に取り組んでいます。どんな仕事にも楽しみを見出すことを大切にし、また1人よりもチームでのモノづくりを好むという片倉。彼女がクレスコへ入社を決めた理由や、理想とするエンジニア像などに迫りました。

“こんなものが作りたい”というお客様の希望を形にするべく、技術面で貢献

▲2024年クレスコKICKOFFにて、IMTCの仲間と(片倉は写真右から3番目) 

 

IoT&モビリティテクノロジーセンター(IMTC)に所属する片倉は、PoC開発(※)を中心とした案件に携わっています。

※PoC開発:Proof of Conceptの略で、新たなアイデアや技術、研究などの実現可能性を探るために行う簡易的な実現化のこと

片倉:「お客様が実現したいことに対して、お客様と相談しながら、1~2カ月の短期間で簡易に設計を行い、「こんな方法で作ってみるのはどうですか?」「こういった機能をつけてはどうですか?」と提案していきます。やりたいことを叶えるための技術的方法を提供するイメージですね。

 

お客様の業種は幅広く、中にはITに詳しくないお客様もいらっしゃるので、技術的な面で、こちらが先導して進めていくことが多いです。

 

また、短期の案件ということで、メインで扱う技術が毎回異なります。案件が終わるたびに新たな技術を勉強しなければいけないのが、難しいところでもあり、都度自分の成長を感じられる部分でもあります。」
 

チームリーダーとしての役割も経験しました。

片倉:「案件によって自分の立場は変わりますが、直近の案件では、モジュールリーダーとして、ある機能の開発を任せてもらいました。一緒に組んだのが、入社1年目の新人と3〜4年目の若手の2人で、それぞれの性格や得意不得意などを見ながら、仕事を割り振ることを意識しました。私は公平性を大事にしているので、新人にも仕事をたくさん任せたいタイプです。チームで足並みをそろえ、一丸となって1つのことを成し遂げることに喜びを感じます」

片倉は、社外の展示会にデモ展示の解説員として参加し、ノーコード技術を広める活動に取り組むなど、案件外でも活躍の場を広げています。

片倉:「所属するIMTCでは、『ITを知らない人でも、スマートフォンなどを操作して自分の思い通りにアプリやロボットを動かせる』というコンセプトで、ノーコード技術の開発に取り組んでいます。展示会等でのデモ出展もその一環で、特に“全国選抜小学生プログラミング大会”で出展した際は、多くの子どもたちから『ノーコード技術は楽しい』と言ってもらうことができました。」

入社して最初の業務の経験から、「どんな仕事でも楽しむ」ことが出来るようになった

▲大学時代の1枚。右の同級生は現在の旦那さん(片倉は写真左)

大学では情報科学科に所属していた片倉は、プログラミングや回路を学び、自然とIT系の企業を志望するようになりました。

片倉:「高校生の頃からパソコンに触る機会が多く、将来はIT系の仕事をしたいと思っていたので、就職活動はIT系1本でした。その中でもメーカー系ではなく、独立系に絞っていました。というのも、独立系は網羅している技術分野が幅広く、様々な技術に触れたかった自分に合っていたのと、もし配属された案件が合わなかったとしても、他の案件に軌道修正できると考えたからです。

入社した2017年から2023年まで、自動運転技術の研究開発に従事した片倉。単調だった最初の業務が、あることをきっかけに楽しめるようになったと言います。

片倉:「最初は、AIに機械学習させるために必要な“教師データ”を作成する業務を担当しました。車載カメラが捉えた映像の中から、『これは車だ』とAIが判定できるようにするために、何種類もの車の画像を教え込ませるような仕事です。

 

作業自体は、写真に車が写っていたら目印として四角をつけるという、すごくシンプルなものでしたが、とにかく量が膨大で、ただこなしているだけだと単調でつまらなくなってしまいます。そこで、効率よく四角を書けるようにしたり、ツールを改良したりして、常に工夫していました。その中で、「どんな仕事でも楽しむ」という、今でも大切にしていることが身に付いたのだと思います。」

その後はAIの認識結果を表示するUIの開発に携わりました。

片倉:「自動運転では、運転が安全かつ正確に行われることが大前提ですが、AIが出した認識結果を、ドライバーにいかにわかりやすく、また信憑性を持たせた形で表示させるかという部分も非常に大切です。自動運転を安心して使ってもらうための開発に携わることができ、とてもやりがいを感じていました。」

尊敬する先輩たちに囲まれて日々学び、成長を実感

▲ここ1年特にお世話になっている先輩2名(片倉は写真1番左)

 

入社1年目から研究開発がメインの案件に配属された片倉。先輩たちの存在は、様々な場面においてとても心強かったと言います。

片倉:「案件を通して私が一番下っ端だったこともあり、周囲の先輩方には、本当によくサポートしていただきました。

 

ある時、原因不明のエラーが発生し、一緒に仕事をしていた協力会社社員の方に助けを求めたことがあったんですが、私の開発環境が特殊だったこともあり、その方の知見をもってしてもすぐに解決できる問題ではありませんでした。

 

それでもその方は、『絶対に原因を突き詰めてやる!』という探求心が強く、あらゆる対処法を試してくれました。最終的には、OS側が壊れていて、私たちにはどうしようもないという結論に至ったのですが、その方がいなければ、ずっと堂々巡りが続いていたかもしれません。とても感謝しています。

 

また、入社1年目に、現場での仕事をサポートしてくれる指導員が付くのですが、その指導員の先輩とは今も同じ部署で働いていて、今でもよく相談に乗ってもらっています。技術に関する知識がすごく豊富な方で、私が『こんなことがしたい』と言うと、すぐに3つくらい案を出してくださるんです。技術者として、本当に尊敬しています。」

片倉は、お世話になっている先輩として、さらにもう1人をエピソードとともに挙げています。

片倉:「直近の案件のリーダーの方は、技術的に妥協しがちな部分にもとことんこだわり抜く人で、その姿に刺激を受けていました。また、『他の人が見てもわかるコードを書きなさい』とその方から教わり、いわゆる“可読性”の高いコードを書くことの大切さも学びました。それ以前の私は、何かをプログラミングする際、意図した動作を実現させることだけで頭の中がいっぱいだったのですが、自分にしか理解できない、可読性の低いコードだと、今後、他の人が活用したり改修したりすることができず、とても効率が悪くなってしまうんです。先輩の、目先の業務だけでなく、常に先のことも考えておられるところをすごいなと思うと同時に、自分の仕事の中での新たな着眼点として吸収することができました。」

クレスコの働きやすい環境の中で、今後も継続的にキャリアを積み重ね、

いずれはシステム全体の設計に関われるようになりたい

▲IoT&モビリティテクノロジーセンター 片倉 由貴

片倉は、クレスコのフランクな社風に心地よさを感じています

片倉:「部長や社長などの役員陣も含めて、全員“さん”付けで呼んでいて、かなり距離感が近いと感じます。私の部署でも、部長と普通に雑談する機会が1日に1回はあり、本当に気軽に話すことができます。

 

先日も、好きな食べ物について話していて、『鰻の骨を揚げたやつがおいしい』という話題が出たんですが、後日部長がお土産に買ってきてくれたということがありました。業務外の会話も気兼ねなくできる雰囲気で、すごく過ごしやすいです。」

就職先にクレスコを選んだ理由の一つであった、女性でも継続的にキャリア形成が可能である環境も、入社して実感しているそうです。

片倉:「就職先としてクレスコを選んだ理由で大きかったのは、女性として長く働けそうと感じたことでした。他社と比べ、産休・育休取得に力を入れていたのがクレスコだったんです。出産などのライフイベントを挟んでも、継続的にキャリアを形成できるイメージが持てました。 入社後、実際に私の周りでも産休・育休を経験してから活躍されている方がたくさんいらっしゃるので、将来に不安を感じることなく働くことができています。

 

また、働くママさんやパパさんたちのコミュニティもあるんです。例えば、子育てに関する相談ができる社内掲示板では、“乳幼児”“小学生”“中学生”などのスレッドがそれぞれ設けられており、「こういう時ってどうすればいいですか?」などの育児相談が気軽にできるようになっていて、とてもいい施策だなと思います。」

片倉の将来的な目標は、システム全体の設計を担えるようになることです。

片倉:「今任せてもらっているのは、システムの中の一つの機能を詳細に設計する仕事なのですが、今後キャリアを積み重ねて、現在部長などが担当しているような、一つのシステムの全体設計をできるようになりたいです。」

また、チームでのモノづくりを好む片倉は、今後もチームで一緒に業務に取り組んでいきたいのだと続けます。

片倉:「私は、一人で一から新たに構築していくのは得意ではないタイプです。一人で何かを作り出すというよりも、むしろみんなで意見を出し合いながら、今あるものを 改良していくような開発をしたいと思っています。たとえつらい案件でも、人と一緒にタスクを消化したり、アイデアを持ち寄ったりして進めていくのが楽しいんです。何なら、つらい案件の方がより楽しく感じられる程です」

片倉は今後も、周囲の頼れる仲間たちとともに成し遂げるモノづくりを心から楽しみながら、自身が理想する姿を目指して着実に進み続けることでしょう。

 

※ 記載内容は2024年8月時点のものです。